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2021.12.06
女優や作家として活躍し、Livのバイクでサイクリングを楽しんでいる一青 妙さんが大会アンバサダーを務めた「弱虫ペダルカップ能登シクロクロス」に、Liv Brava Advanced Proで国内最高峰シクロクロス「JCXシリーズ」に参戦する3名のLivシクロクロス女子が勢ぞろいしました。
シクロクロスは未経験という一青さんが、彼女たちにシクロクロスをはじめたきっかけやその魅力、楽しみかたについて、会場のLivブースでインタビューした内容をお届けします。
聞き手
● 一青 妙(ひとと たえ)さん
女優、作家、歯科医として活躍する傍ら、サイクリング普及活動にも積極的に取り組んでいる。
話し手(写真左から)
● 望月 美和子(もちづき みわこ)さん
通勤用にロードバイクを始め、現在はフルタイムで働きながらヒルクライムを中心に選手活動を行う。
● 渡部 春雅(わたべ かすが)さん
ロード、トラック、シクロクロス、MTB全てで競技活動を行う、明治大学 自転車部所属のアスリート女子。
● 福田 咲絵(ふくだ さえ)さん
ロードレースインカレ優勝、海外ロードチームに所属など、豊富な経験を持つ社会人アスリート。
一青:シクロクロスを始めたきっかけについて教えてください。
福田:元々ロードをやっていて、たまたま練習会の途中で「シクロクロスチームを立ち上げるからやらないか?バイクも貸してあげるから」っていう感じで、始めたのがきっかけです。
一青:やってみて最初の印象はどうでしたか?
福田:難しかったです。ロードレースだと路面状況とかあまり気にしなくていいし、ブレーキとかもそこまでシビアじゃないけど、シクロクロスはコースによっても気候によっても操作感が違ってくるのですごく難しいなっていうのが正直な感想で、今でもまだまだ難しいなって思っています。
一青:ロードとは全然違うものなのですね。
福田:はい。
渡部:自分は、ロードをメインに乗っていますが、冬はシクロクロスにロード選手がトレーニングで結構出ているという話を聞いたので、シクロクロスが楽しそうだなって思って興味がでました。
一青:じゃあ、自分からやりたいと思ったのですね。
渡部:はい、そうですね。
一青:私もシクロクロスは冬のトレーニングと聞いていました。でも、冬でもロードは走れますよね?だから、なぜ冬にシクロクロスなのか不思議に思っています。
望月:ロードの場合、冬にレースが無くなっちゃいますし。
一青:そういう意味でなんですね。
望月:地域によっては路面が凍結することもあり走れなくなります。それで、海外ではオフシーズンのトレーニングとしてシクロクロスレースが頻繁に行われていますし、短時間で高強度なので心肺機能のトレーニングに最適なのです。
一青:すごい教科書的で分かりやすい説明で、私の知識になりました。
一同:(笑)
福田:シクロクロスは強度が高いからすぐ身体が暖まります。
望月:速度もロードほどでないので、寒くないですし。
一青:でも、心肺機能のトレーニングになるのですか?
望月:はい。ストップアンドゴーが多いので心肺に常に刺激が入ります。
一青:望月さんがシクロクロスをはじめたきっかけは何ですか?
望月:私も元々ロードをやっていましたが、マウンテンバイクで山の中走ることも好きでした。シクロクロスをしていた会社の先輩に誘われたことでやりはじめました。
一青:マウンテンバイクもやっていて、さらにシクロクロスも?マウンテンバイクとシクロクロスはどれくらい違いますか?
望月:マウンテンバイクはレースには出なくて、遊び感覚で近くの山を走って楽しんでいます。
シクロクロスを始めたときは、こんな細いタイヤとドロップハンドルで、こんな荒れた道を走るのかと思いました!シクロクロス始めた当初はちょっとふてくされて、「こんなので走れません!」って言いながら走っていました。(笑)
でも、段々走れるようになってくると楽しさを感じ始めて。今まで下れなかった急な坂だったり、走れなかった泥だったり砂区間も段々こなせるようになっていって、自分の成長を感じることができました。
一青:私の印象では、ロードは男女比べると女の人が少ないですよね。シクロクロスだと、さらに女の人が少ないようなイメージですけど、実際はどうですか?
福田:シクロクロスは女子が多いと思います。
渡部:私も、ロードとかマウンテンバイクに比べたら、シクロクロスは女性の人口が多い印象です。
関西クロスとかだと、すごくたくさんの女子ライダーを見ます。
福田:そう、100人とかいると思います。
一青:そうなのですね、知らなかった!それって、シクロクロスは女性にとってチャレンジしやすいということなのですか?
福田:ロードより転んだときも下が芝生とか土なので比較的安全ですし。あんまり大怪我はしない印象かな。
一青:なるほど。じゃあ逆に言えば、シクロクロスっていうネーム自体を知らない人がたくさんいると思いますが、認知度が上がれば女性にとってはロードよりも入りやすいかもしれないですかね?
一同:そう思います。
福田:何時間も走るロードと比べて、競技時間も最初は30分以内と短いのでチャレンジしやすい競技だと思います。私たちの最上位クラスでも40~50分くらいなので。
一青:皆さんがこれからもっともっと多くの人にシクロクロスの魅力を発信したら、もっと広がっていくことが期待できますね。
一同:そうですね。
望月:あと、シクロクロスは会場の雰囲気が良いと思います。コースが比較的短くて一周で何か所も観戦できるので応援する側も楽しいし、どのレースでも観客がすごくたくさんいます。
一青:私も今回はじめてレースを見て、カウベルを鳴らして応援したりして雰囲気がいいですよね。
一青:シクロクロスに向けて、普段はどのようにトレーニングされていますか?
望月:私はロードの方をメインでやっているので、シクロクロス自体がオフトレというか、トレーニングの一貫としてやっています。そのためシクロクロスの為に特別なことはしてないですね。通勤でシクロバイクに乗って慣れるようにしているくらいです。
渡部:私も練習のメインはロードバイクです。シクロクロスはレース前のコース試走で練習するくらいになっています。
福田:私は今ロードをやっていなくて、今シーズンから3年ぶりに始めたシクロクロスのために、あまり乗る時間が取れないので、ほとんど家の中でローラー台に乗ってトレーニングしています。
一青:シクロクロスってロードと違って走る場所が無いと練習できないですよね?ロードみたいにちょっとその辺を走ってくるみたいに。そういう意味ではチャレンジしやすいけど、近くに環境が無いとできない難しさはありますか?
渡部:私は近くに練習できるコースがあります。
一青:練習場所があるのですね。
渡部:近くの人はみんなそこに行って練習していると思います。
一青:そうなのですね。そういうところに、あんまりシクロクロスをやったことのないビギナーの人が行っても走れるんですか?
渡部:はい。そこで走っている人が教えてくれたりすることもあります。
一青:皆さんにとって、シクロクロスの魅力ってなんですか?
渡部:私は、雰囲気がロードレースとかトラックレースと違って、ゆるくて温かいところですね。あと、シクロクロスのレース会場には、食べ物とかのお店も色々出ているので、そういう雰囲気がなんか、温かいし、魅力に感じます。
一青:なるほど!
望月:私も雰囲気ですかね。やっぱり応援するのも、されるのも、嬉しいし楽しいし。さっきも言いましたけど、周回コースなので何度も何度も応援できるし、選手の家族も一緒に来てたくさん応援してくれたりするので。
一青:ペットを連れて来ている方もいましたね。
望月:そうですね!ロードとはまったく違う雰囲気で、シクロクロス楽しいなって思います。
福田:二人と被ってしまいますが、私も雰囲気ですかね。
一青:すごい。じゃあみんな共通して、会場の雰囲気が魅力なのですね!
福田:やっぱり周回コースなので観戦しやすいし、走っている側としても何回も応援してもらえる嬉しさもあるし、あと、今はコロナ禍でできないけど会場でビール飲みながら観戦したりとかもできますし。
一青:そんなこともあるの?!
一同:(笑)
一青:それはレースに出た後の楽しみですよね?
福田:はい。実はそれが結構楽しみなのです。
一青:なるほどね。そういう楽しみ方は知らなかったです。
福田:走っても楽しいし、観戦しても楽しいからシクロクロスが好きになりました。
一青:自分がレースに出ない時も、観戦に行くことはあるんですか?
福田:はい、あります。
望月:私は走ります。
一青:?!
望月:レースで一生懸命に走っている選手の横をランニングで並走します。
一同:(笑)
望月:ランで。ランの方が早い区間もあります。
泥とか砂の区間だと、速い人はもちろんバイク乗っていても速いのですが、ランニングの方が速いときがあるので。並走しながら「遅いぞ~」みたいな感じでプレッシャーかけます(笑)
一同:(笑)
一青:レースしているときでも、応援の声とかは結構聞こえているものですか?
一同:良く聞こえますよ。
一青:良く聞こえているのですね!じゃあ知らない人から「頑張れ!」とか応援されるのも、力になる感じですかね。
一青:このインタビューの前に女子のレースを見ていましたが、とても楽しく観戦できました。午後のレースには皆さんを含め強い選手がたくさん参加すると聞いていますので、楽しみにしています!ぜひぜひ頑張ってくださいね!
Livインタビューにご協力いただいた皆様
一青 妙 さん(中央左)
女優、作家、歯科医とマルチに活躍する女性サイクリスト。母の出身地である石川県中能登町では観光大使も務める。初開催の「弱虫ペダルカップ能登シクロクロス」でも、大会アンバサダーに任命されイベントを盛り上げる。家族やルーツである台湾をテーマにエッセイを発表し、著書は『私の箱子』『わたしの台南』『環島〜ぐるっと台湾一周の旅』など多数。
渡部 春雅 さん(中央右)
横浜生まれ静岡育ち。中学生時代は、トレイルランニング、スノーシュー、トライアスロン大会で数々の優勝を経験。ランニング大会の主催者に勧められて中学3年のときに自転車競技を開始。数々の競技で勝利を量産する。今春から明治大学に入学して自転車部に所属。ロード、トラック、シクロクロス、MTBの全競技で日本自転車競技連盟からジュニア強化指定選手に選出されている。
望月 美和子 さん(左)
自転車通勤の為にロードバイクを購入したことがきっかけとなり、競技を開始。フルタイムで働きながら、ヒルクライムを中心にロード、MTB、シクロクロスと、マルチに参戦。2018年JCBF東日本ロードクラシックDAY1優勝。第15回Mt.富士ヒルクライム女子主催者選抜クラス優勝。現在は、レース以外でも東海エリアを中心に自転車文化の普及・発展にも努めている。
福田 咲絵 さん(右)
大学時代に始めたロードレースとタイムトライアルで学生チャンピオンになり、海外ロードチームに所属した経験もあるアスリート。社会人になって一旦競技から離れたあと、2021年からLiv Brava Advanced Proとともにシクロクロスに参戦。今期JCXシリーズで2勝をあげ、ナショナルランキングも1位につけている。平日は丸の内でOL、週末はAX cyclocross teamに所属して活動する。
写真提供
インタビュー:Itaru Mitsui
レース:Kensaku SAKAI/FABtroni+camera